上顎前突(じょうがくぜんとつ)


上顎前突(じょうがくぜんとつ)とは?

上顎前突とは、上の前歯や上顎全体が前方に突出している状態のことです。俗に「出っ歯」とも呼ばれます。骨格的な問題の場合と、歯の傾きだけの問題の場合があります。


弊害
  • 前歯で食べ物を噛み切りにくくなる
  • 口が閉じにくく、口腔内が乾燥しやすい(虫歯・歯周病リスク上昇)
  • 発音(特にサ行)に影響が出ることがある
  • 転倒時に前歯を損傷しやすい
  • 見た目のコンプレックスにより精神的な影響を及ぼすことがある

原因
  • 遺伝的な顎骨の形態(上顎が大きい、下顎が小さい)
  • 指しゃぶりや舌を前に押し出す癖(舌癖)
  • 口呼吸による口腔周囲筋のバランス乱れ
  • 乳歯の早期脱落による歯列の乱れ
  • 上唇の筋力低下

治療
  • ワイヤー矯正(マルチブラケット装置)
  • マウスピース矯正
  • 抜歯矯正(上顎小臼歯を抜いてスペースを確保)
  • 重度の骨格性の場合は外科矯正(顎骨切り術)
  • アンカースクリューを使って前歯を後ろへ移動

症例

【症例】24歳女性/前歯が出ている

上顎前突(出っ歯)のケースです。前歯を後方に移動するために上の前から4番目の歯を二本抜歯し、矯正用アンカースクリューを用いて大きく後方へ移動しています。

主訴 前歯が出ている
年齢・性別 24歳 / 女性
治療方針 上顎前歯の後方移動
抜歯部位 上顎左右第一小臼歯
使用装置 クリッピーC(上下表側)、アンカースクリュー2本
治療期間 2年2か月
リテーナー 上下リンガルリテーナー、上ラップアラウンドリテーナー

治療前

治療中

治療後

顔貌

リスク及び副作用

矯正治療では以下のリスクや副作用が考えられます。

  • 歯根吸収(歯の根が短くなる症状)
  • 歯肉退縮(歯茎が下がる症状)
  • アンキローシス(歯と歯を支える骨が癒着し歯が動かなくなる。)
  • 歯髄壊死(歯の神経が失活してしまう状態)
  • 顎関節症(顎の痛み)

費用(すべて税別)

検査・診断料 35,000円

装置料 ラビアル 750,000円、アンカースクリュー 20,000円 × 2本

調整料 5,000円 / 月

保定装置料 55,000円


よくある質問
Q. 大人の出っ歯矯正にかかる期間はどのくらいですか?

A. 軽度なら1年半〜2年、抜歯を伴う場合は2〜3年程度が目安です。骨格性が強い場合は外科

Q. マウスピース矯正だけで治せますか?

A. 軽度〜中等度であればマウスピース矯正でも対応可能です。重度の場合はワイヤー矯正や外科矯正が必要です。

Q. 矯正後に口元は変わりますか?

A. 抜歯矯正の場合、前歯が後退することで口元のふくらみが改善し、横顔のEラインが整うことがあります。