上下顎前突(じょうかがくぜんとつ)


上下顎前突(じょうかがくぜんとつ)とは?

上下顎前突とは、上下の前歯や顎骨がともに前方に突出している状態のことです。口元全体が前に出て見え、「口ゴボ」とも呼ばれます。上下の歯の噛み合わせ自体は正常な場合もあります。


弊害
  • 口が閉じにくく、口腔内が乾燥しやすい(虫歯・口臭リスク上昇)
  • 前歯での咀嚼が困難になる
  • 発音に影響が出ることがある
  • 口元の突出感により見た目のコンプレックスにつながりやすい
  • 顎関節への負担が増加する

原因
  • 遺伝的な顎骨・歯の形態
  • 舌を前歯に押し当てる舌癖
  • 口呼吸による口腔周囲筋のバランス乱れ
  • 指しゃぶりや唇を噛む癖
  • 歯のサイズが大きい

治療
  • ワイヤー矯正+上下顎の抜歯(4本抜歯が多い)
  • マウスピース矯正
  • 口元の後退感が強い場合は外科矯正も適応
  • 舌癖の改善トレーニング(MFT)を並行して行うことが多い

症例

【症例】26歳女性/口元が出ている・横顔が気になる

上顎前突(出っ歯)・上下顎前突(横顔が気になる、口ゴボ、口元が出ている)のケースです。装置はフルリンガル(上下裏側)で、上下顎の小臼歯を4本抜歯しています。抜歯したスペースを使って上下の前歯の後方移動と軽度の叢生(ガタガタ)の改善を行っています。確実に前歯を後方に移動させるため矯正用アンカースクリューを使用しています。

主訴 口元が出ている。横顔が気になる。
年齢・性別 26歳 / 女性
治療方針 上下顎前歯の後方移動による横顔の改善と軽度の叢生(ガタガタ)の改善
抜歯部位 上顎左右第一小臼歯、下顎左右第二小臼歯
使用装置 フルリンガル(上下裏側)、アンカースクリュー2本
治療期間 2年3か月
リテーナー 上下リンガルリテーナー、上ラップアラウンドリテーナー

治療前

治療中

治療後

顔貌

リスク及び副作用

矯正治療では以下のリスクや副作用が考えられます。

  • 歯根吸収(歯の根が短くなる症状)
  • 歯肉退縮(歯茎が下がる症状)
  • アンキローシス(歯と歯を支える骨が癒着し歯が動かなくなる。)
  • 歯髄壊死(歯の神経が失活してしまう状態)
  • 顎関節症(顎の痛み)

費用(すべて税別)

検査・診断料 35,000円

装置料 フルリンガル 1,050,000円、アンカースクリュー 20,000円 × 2本

調整料 6,000円 / 月

保定装置料 55,000円


よくある質問
Q. 口ゴボは矯正だけで治せますか?

A. 歯の傾きや上下の前歯が前方に位置していることが主な原因の場合は抜歯矯正で改善できます。

Q. 4本抜歯すると顔が変わりますか?

A. 前歯が後退することで口元の突出が改善し、横顔のラインが整う方が多いです。

Q. 治療後の後戻りを防ぐにはどうすればよいですか?

A. 保定装置(リテーナー)を歯科医の指示通りに使用することが重要です。舌癖がある場合はMFTも並行して行うと効果的です。